サラ系の子孫は滅亡寸前 (2) バイカ系
【バイカ】
1903年生まれ(1904年とも)。血統だけでなく産国も不明のようでその出自は謎に包まれています。 (2017/2/5訂正:『サラブレッド系種血統書』第一巻によればやはり豪州産のようです) 産駒の第三シヤエロツクが帝室御賞典を制し、そこから血脈を広げました。主な子孫にはワカクサ(阪神3歳S)、ホウゲツオー(京成杯)、ダイホウゲツ(中京記念)、フローカンボーイ(スワンS)、テルノエイト(シンザン記念)、リュウズイショウ(東海ダービー)など。ミラ系やバウアーストツク系に比べると大レースの勝ち馬は少なく華々しさには欠けますが、平成に入ってもタマモハイウェイ(菊花賞5着など長距離路線で活躍)、ハートランドヒリュ(サラブレッド系のJRA最多出走記録)といった面々を輩出してきました。
バイカ 1903
第三シヤエロツク 1920
豊花 1925
トップフライト 1945
ナンバイチバンヒメ 1959
|ハッピーベレン 1968
| テルノワカクサ 1982
| |サツマコムスメ 1989
| | オワリクイン 2000 → サファリプリンセス 2008(牝、地方6勝)
| |ミホアヤメ 1999 → ブラックトーラス 2011(牡、地方1勝)、バージンシャトー 2012(牝、地方1勝)
|センコウミドリ 1969
ウエストマーチン 1977
グランダーム 1992
ユメヲコワサナイデ 2003 → アポロイーグル 2008(牡、地方6勝)、ケイティユウユー 2010(牝、地方10勝)、プリマバレリーナ 2011(牝、地方3勝)
現役競走馬:6頭
現役繁殖牝馬:0頭
ほか、馬名未登録だがミホアヤメの2013年産駒・2014年産駒がいる(2頭とも牝)
現役競走馬の母はいずれも供用停止となっており、系統の存続は現役の牝馬が繁殖入りできるかどうかにかかっています。どれも地方所属なので何とも言えないですが、バウアーストツク系に比べればまだ可能性はあるか。
サラ系であっても8代続けてサラブレッドと交配されれば、サラブレッドとして認定される制度があり(「ヴィークル・メア」)、現役の6頭はみな正式なサラブレッドとして扱われています。その一方で、世代を経ることで系統としての勢いが失われてしまったのは何とも皮肉な話です。最後に紹介するミラ系も似たような状況ですが、サラ系としては最も繁栄した一族の今についてはまた次回、詳しく確認していきたいと思います。(続く)