KTF(旧)

オーストラリア生まれの Keep The Faith (※引退)など、海外で走るサンデーサイレンス産駒の情報を記録していました。

継続して高AEIの牝系

前回書いた通り、長期間安定して高いAEIを記録している牝系を調べました。

元データ出典:TARGET Frontier JV
Tableau Publicで作成
円のサイズは出走産駒数に比例

算出方法は前回投稿を参照(各年代の出走産駒が20頭以上の牝系が対象)

1990年代・2000年代・2010年代すべてでAEIが1を超えるのは上記の9牝系しかありませんでした。
頭数の多さにも関わらず高いAEIを誇るパロクサイド系は、まさに日本の頂点に立つ牝系と言えます。
全年代でAEI1.6以上のロイヤルサツシユ系とレデイチャツター系も極めて優秀ですし、ロイコン系からは直近でもチェルヴィニアやミュージアムマイルが出ており勢いがあります(2020年代生まれのため上記集計には含まず)。

一方、日本古来の牝系として著名なフロリースカツプ系・アストニシメント系・ビユーチフルドリーマー系を見てみると、頭数の多さはさすがですがAEIは1未満にとどまっています。
頭数も徐々に減少しており、輸入繁殖牝馬による血の更新が年々確実に進んでいることが見て取れます。


元データ出典:TARGET Frontier JV

牝系版のアーニングインデックスを出してみた

仕事で覚えたSQLで、前からやりたいと思っていた牝系版のアーニングインデックスを出してみました。

サイアーラインと違って、牝系の流行り廃りは数字で表しにくいものですが、近親に活躍馬の多い一族というのが存在するのは周知の事実で、それを指標化できないかと考えたものです。

牝系は、本邦輸入の牝馬を起点として区分し、ある程度のサンプル同士で比較できるよう、産駒の生年ごとに10年単位で集計しました。

 

年代別の上位10牝系がこちらです。

1990~1999年

2000~2009年

2010~2019年

元データ出典:TARGET Frontier JV

活躍馬を多数輩出する有名牝系に混じって、1頭の馬の大活躍で順位が押し上げられたケース、逆にトップの獲得賞金は低めでも複数の馬がまんべんなく稼いで上位に入ったケースなど、様々な傾向が見て取れます。

トップ10だけ見ると10年間ですべての牝系が入れ替わっており、サイアーライン以上にトレンドの変化が激しい印象を受けますが、長く続いている牝系は突出した数字ではなくとも安定的に高いAEIをマークしているのではないかと思われ、その辺を引き続き調べていきたいと思います。

 

(集計方法)
・AEIは(当該牝系で対象期間内に生まれ、JRAで出走した産駒の1頭あたり獲得賞金)÷(同期間に生まれ、JRAで出走した全産駒の1頭あたり獲得賞金)で算出
・TARGET Frontier JV(JRA-VAN DataLab.)の2025/12/19時点のデータを使用
・対象はJRAの本賞金+付加賞金(平地・障害)。地方・海外は含まない
・対象期間の出走産駒が20頭以上の牝系を表示
・*バブルカンパニーバブルガムフェローの母)と*バブルプロスペクターザッツザプレンティの母)のように、2代以上続けて輸入された牝馬がいる場合は同一の牝系として扱う。JRA-VANでは、*バブルカンパニーBubble Company(*バブルプロスペクターの母)のように同一馬が別データとして存在しているため、生年と父母の情報が一致した場合に名寄せを行った。これにより集計ミスが起きている可能性もあるため、数値の正確性は保証しない。

Keep the Faithのレコードタイムについて

コメント欄が長くなっているので、新規投稿の形でお返事させていただきます。


Keep the Faithが芝6ハロンの北米レコードを樹立した、2005年7月24日ベルモントパーク競馬場の7レースについて:


1. 斤量は120ポンド(約54.4kg)、2着との差は2馬身1/2だったようです。


2. 馬場については私も正直詳しくありませんが、平坦で欧州よりは時計が出る軽い馬場だという認識は同じです。
  アメリカには芝短距離のビッグレースはほとんどありませんので、レコードは勿論立派なことなんですが
  マイナーカテゴリでの記録であることは否めないかと思います。


3. 調べてみたところ、今年の6月に同じベルモントで1:05.67というレコードが出ているようです。(斤量122ポンド)
  1分5秒台が出ているのは意外でした。同じ競馬場のレコードを見ると、芝1マイル(8f)が1:31.63、1マイル半(12f)が
  2:23.39ということなので、日本に負けず劣らずの高速馬場と言えそうです。


※1と3はequibase.comを参照しました

2016年・世界のG1勝ち馬の系統別分類

2016年のパート1国および香港・ウルグアイの国際G1について、勝ち馬の父系別勝利数をまとめました。

※対象は458レースだが、スピナウェイSの1着同着があるため合計459勝となっている


前年の2015年分は以前ツイッターに上げていました(こちら)。大体の傾向はほぼ同じですが、注目点を挙げるとすれば


 Galileo(21勝→38勝)↑ ⇔ Danehill(67勝→57勝)↓
 A.P. Indy(19勝→29勝)↑ ⇔ Mr. Prospector(102勝→89勝)↓


あたり。Galileoは直子のヨーロッパでの活躍は言うまでもないですが、他地域で孫世代のG1勝利が増えてきており(南米では前年の3勝から7勝に増加。それと日本でも)、世界的に勢力を拡大し始めています。A.P. Indy系はCalifornia ChromeやLord Nelsonなど、強豪が複数のG1勝ちを収めた影響もあって増加しています。


マイナー系統群は相変わらず寂しい状況。特にヘロド系はCirrus des Aiglesの引退でG1勝ちが途切れただけでなく、G2やG3でも勝ち馬がいたかな?というくらい存在感がなくなってきており(Linngariの産駒がフランスやブラジルの重賞でそこそこ走っていたはずですが)、深刻な事態になっています。


母系別の集計は作業が追いついてないので、また機会があれば投稿します。

2016年の種付け頭数集計(英・愛)

イギリス・アイルランド供用種牡馬の今年の種付け頭数について、Blacktype-pedigree.comというサイトで解説がされていました。
Stud Season in England and Ireland – One Tenth of All Mares Covered by Galileo’s Sons

種付け頭数上位の顔ぶれを紹介しつつ、ノーザンダンサー系の比率が年々高まっているのは気になる所だよね、みたいな事を書かれてます。
また、系統別の頭数集計がされていましたのでここに引用させていただき、あわせて前年分(こちらの投稿の際に当方で集計したもの)との比較を付けさせていただきます。


※50頭以上の増減について↑↓を記載。この一覧に無い少頭数の系統もあると思われるためパーセンテージの記載は行っていない。


ノーザンダンサー系以外で伸びが目立つのはミスタープロスペクター系です。代表格は何と言ってもDubawiですが、記事ではNayefの子孫が影響力を増してきていると指摘しています。ほか、増加している所で目を引くのは
ハイペリオンオーエンテューダー)系・・・英G2ジュライS勝ち馬のAnjaal (GB)種牡馬入りし、194頭を集める
・グレイソヴリン系・・・Blue Bresil (FR) が134頭に付けているが、どうやらナショナルハント種牡馬
ニジンスキー系・・・すぐには分からなかったが、これもナショナルハント種牡馬が加わった影響か?(→11/27追記:今年種牡馬入りした独ダービーLucky Speed (IRE) の分か。やはりナショナルハントみたいだが)
といったところ。Anjaalは希少なラインの後継者として相当期待されているのではないかと想像します。

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北米の種付け頭数集計ですが、集中して作業する時間がなかなか作れずほとんど進んでいません。2016年度のReport of Mares Bredも既に公開されていますが、2015年度から400頭弱が入れ替わっているようです。2015年度の完成版を作るか、先に2016年度をやるか悩ましいところです(全然時間取れてないのでそれ以前の問題なのですが)。
なお、Blacktype-pedigree.comで上記同様におおよその集計がされているのでリンクを貼っておきます。
Reports of Mares Bred 2016 - Most Demanded Sires and Their Lines in This Year’s Stud Season in North America

種付け頭数をウイニングポストの血統支配率風に表す(北米編・仮)

今更感が拭えませんが、やるやると言っていた北米編の集計結果を公開します。ソースはThe Jockey Clubのサイトで公開されているReport of Mares Bred(2015年)です。「仮」としたのは、対象の種牡馬1,449頭のうち、種付け頭数が10頭を超えている670頭分しか集計していないからです。ただし、この670頭で種付け頭数全体の91%(31,552頭)をカバーしており、系統の勢力図は大体掴めるのではないかと思っています(とはいえ、あくまで暫定版であることにご留意ください)。種牡馬の血統は基本的にEquineline.comで調べ、同名馬がいて特定が難しい場合はStallion Register Online等の他サイトも参照しました。

※Report of Mares Bredの系統別集計については毎年REVERY_L_ELEKTRAさんの所で詳しく公開されているので(当然2015年分も)、そちらを見ていただければ本ページの集計の意義はあまり無いのですが・・・個人的趣味というか自分自身の血統の勉強も兼ねて、1頭ずつ血統を調べて数をカウントしています。


集計結果はこちら(種牡馬名のカッコ内は2015年の種付け頭数)

上位の系統の内訳はこちら

ノーザンダンサーストームキャット)、ミスタープロスペクターナスルーラボールドルーラー:ほぼエーピーインディ)の三強であることが数字の上でもはっきりと表れています。一系統だけの寡占状態になっていないだけでも他地域に比べずいぶん健全だと言えるでしょう。ただ、期待していたほどには非主流系統に勢いがなく、上位の系統への集中が進んでいる感じを受けます。びっくりするようなマイナー父系の馬はほとんどいませんでした。この点は、種付け頭数10頭未満の分をまだ調べていないので、また印象が変わるかもしれないですが。注目点を挙げるとすれば、種付け頭数のトップが三強ではなくグレイソヴリン系のUncle Moであることでしょうか。産駒の成績もよく、現状の勢力図を崩す可能性を秘めた種牡馬としてチェックしておきたい存在です。

今回対象外とした、種付け頭数10頭未満の馬(700頭弱)の血統もぜひ調べて、完全版として公開したい気持ちはありますが・・・2016年のReport of Mares Bred発表(10月?)の方が先になる可能性が大です。年末までにはどうにか終わらせたいな、という感じです。