KTF(旧)

オーストラリア生まれの Keep The Faith (※引退)など、海外で走るサンデーサイレンス産駒の情報を記録していました。

種付け頭数をウイニングポストの血統支配率風に表す(英・愛編)

先日の日本国内編に続き、イギリス&アイルランド編をやってみました。
ソースはWeatherbys Stallion Bookの「ANALYSIS OF 2015 RETURN OF MARES」(http://www.stallionbook.co.uk/pages/index.htmlの左下バナーから閲覧可能)。種付け頭数は「2015 Covering of Registered Mares」と「2015 Covering of Unregistered Names and Unnamed Mares」の合算です。合計で約21,000頭。英・愛のサラブレッド生産頭数が約12,000頭(2014年)なので、ちょっと多いか?サラブレッド以外の種付けが含まれているか、Unregistered/Unnamedの分が余計なのかもしれない。また、手作業の集計なので細かいミスがあるかもしれません。

留意事項として、障害用種牡馬の種付け数も集計に含まれています。かつ、結構数が多いです。Sea the StarsやFrankelよりもKayf TaraやYeatsの方が種付け数が上だなんて意外に思う人もいるでしょうが、日本と同じ基準で考えてはいけないのでしょうね。障害競走の数に対する種牡馬の数が平地に比べると少ないので、1頭あたりの種付け数が多くなるのだと想像されます。障害用種牡馬を除外することは、線引きが難しいと思ったのでやりませんでした。

前置きが長くなりましたが・・・

便宜上ダンジグとサドラーズウェルズは別系統としましたが、仮にノーザンダンサー系で一括りにした場合は76.2%と圧倒的なシェアになります。正直これほどの割合になるとは想像していませんでした。内訳を見ると、

デインヒル、グリーンデザート、ガリレオ辺りはまさに今が旬という感じで勢いのある系統。ほか、日本にはあまり馴染みがないですが、トライマイベストの系統であるAcclamation〜Dark Angelのラインが主に短距離で実績を上げており、一定の勢力を築いています。一方で、かつて栄えたヌレイエフ、ニジンスキー、リファールといった系統は斜陽だと言わざるを得ません。Pivotalを擁するヌレイエフはまだ良いとして、残りの2つは障害用種牡馬が主体になっておりラインの存続はかなり厳しそうです。

他の系統を見ていくと、まずミスタープロスペクター系は意外にもそこそこの比率に収まっている印象。ただしこの先Dubawiの後継種牡馬が続々加わっていくはずで、数年でまた違う状況になるかもしれません。ブランドフォード系はMonsunの後継種牡馬たちが気を吐いておりなかなか健闘しています。ナスルーラ系は小系統に分けるまでもないほどの規模になってしまっています。一応、中心はネヴァーベンド〜ミルリーフの系統。日本では絶対的地位を築いたヘイルトゥリーズン系もここでは今一つ。ディープインパクトとかの産駒が単発で競走馬として入ってきて、そこから根付いていくことに期待でしょうか。

その他マイナー父系は主流系統に押されて非常に厳しい状況ではあるものの、日本ほどの極端な偏りは見せておらず、例えば今年のJack Hobbs(シャーペンアップ系)のように一流馬を送り出す土壌はいまだ残されていると言えます。個人的には、トウルビヨン系というかヘロド系存続のカギを握るDunadenから何とか活躍馬が出てきてほしいと思っています。初年度は97頭に種付けした模様。

次回は、少し日が空くかもしれませんがオーストラリア編を予定しています。デインヒル一強支配の中で、まだ出ていないマイナー父系がどれだけ残っているか?楽しみにして集計したいと思います。